「原爆の日」
64年前の今日、原子爆弾が広島に落ちた。このことによって、世界はどれほど変わっただろう。少なくとも被爆者を含め、多くの日本人の心に、変化を生み、人生を変えたことは間違えない。
「はだしのゲン」の英訳が読まれていると言う。
広島での被爆体験を基に漫画家、中沢啓治さん(70)が描いたベストセラー漫画「はだしのゲン」全10巻の英訳版が完成、ほかにも十数カ国語に翻訳され、世界各国で幅広く読まれ始めている。「学校では被爆の苦しみを教わらなかった」「ゲンは核兵器の恐ろしさを伝える生き証人だ」。米国で読んだ人々は、初めて知る被爆者の苦難に衝撃を受けた様子だった。
ニュージャージー州で夫と保険代理業を営むメリー・キャロルさん(50)は漫画を読んで、愕然(がくぜん)とした。「学校では日本の一般市民の苦しみは何一つ学んでこなかった」からだ。米で活動するジャズバンド「ヒロシマ」の演奏などを通して原爆に興味を持った。「われわれ米国人は、恐るべき核の破壊力を教えられていない。ヒロシマ、ナガサキの惨劇がまた繰り返されるかも、と思うと恐ろしい」
米国での出版を引き受けたサンフランシスコの出版社ラスト・ギャスプによると、最近は「はだしのゲン」を教材に取り入れる高校や大学が出てきている。
サンフランシスコ郊外にあるディアブロ・バレー・カレッジ英語学部のアダム・ベッシー助教授(29)は、教材で取り上げた一人だ。「ゲンは被爆体験を世代や文化を超えて伝える力を持っている。学生はゲンに触発され、さまざまな社会や政治の問題を深く考えるようになった」
ベッシー助教授のクラスを受講した、大学生、キール・パウエルさん(24)は「原爆の熱線で溶けた人の顔を漫画で初めて見て、あまりのショックで口を閉じるのも忘れてしまった。敗戦国の人たちが負った心の傷を、これまで考えもしなかった」と語る。
作者の中沢さんは「まずは米国でしっかり読まれてほしい。オバマ大統領にも娘さんたちと一緒にぜひ読んでもらいたい」と話している。英訳の10巻とイラスト入り色紙を、大統領に贈呈する予定という。
(引用:サンケイ)
ぼくは、長崎県の生まれである。小さな旅館なので、子どもの頃から風呂掃除をよく手伝わされた。五十くらいの住み込みのおばちゃんがいた、長崎での被爆者だった。当時、学校で「はだしのゲン」を読み、原爆に興味のあったぼくは、直接風呂掃除の後、その話を縁台に座り、聞くことしかり。
学生は、社会や政治に興味を持つようになった、そんな記事もあるが、まさに、ぼくもそうだった。核戦争は、許してはならない、誰の上にも落としてはいけない。ぼくは、なぜ政治家になりたいと思ったか、たぶん、この時だったと思う。くじけそうになると、いつもこのことを思う。
もう彼女は、80歳にもなり、耳も遠くなり、話は続かず、原爆症に苦しんでいるが、市井の人の人生の一こまが、大きく意味を持つこともあるのだ、と信じたい。



