日雇い労働と自分

先ほど、NHKの「日雇い労働」の特集を見ていた。偽装請負、法律の抜け道、脱法行為など、この日雇い派遣に関しては、実に問題が多い。実際には、この不景気だからこそ、顕在化してきた問題であり、もともと、構造自体に問題があったと思う。
実は、大学生時代、高額の家庭教師やデスクワークが嫌いで、ひたすら日雇い労働に精を出していた。田舎者だったからだろうか、汗を流す労働をするということに、尊敬の念もあり、また都会の格好のよい仕事は、眩しくて遠いような気もしていたからだ。思い返しただけで、警備員、工事現場作業員(この経験が一番多いが、仕事が多岐に渡り、名前がわからない)、弁当工場などである。ガードマン会社では、作業に必要ということで、安全靴(足を守るため、鉄板が入っている)を買わされた。ガードマン以外では、ほとんど使いようがなく、高田馬場の手配師に頼み、建設現場で働いた際に、何か役に立つだろうということで、持っていったら、地下足袋だとプロだから、1万5000円、靴は、素人だから1万2000円といわれ、悔しい思いをしたことを覚えている。その仕事は、すさまじく危険な仕事で、何十キロという資材を抱えさせられ、いま思えば、あれで怪我をしていたら、誰が責任を負ったのだろう。足に落ちれば、たぶん、落ちたところは、全て砕けたと思う。8時から働いて、3時くらいには、全く握力がなくなった。この仕事を繰り返していたら、怪我の可能性は、ますます高くなっていくだろう。危険な派遣現場に、日雇いで人を送るのは、災害時の補償の面でも、責任の点でも、余りにも無茶な行為だと思う。一部の仕事にあぶれた人々が、そのような仕事をすることを狭まれ、危険を承知で行っている。こういう問題は、政治の問題である、一刻も早く変えなければならない。
ただ汗を極限まで流し、仕事の後に、達成感と共に、葛西の安酒場で飲んだビールは、今までの中で一番、美味かった。





